SEOは死なない。変わるのは戦い方──「信頼されるブランド」を育てるマルチチャネル戦略【 BrightonSEO Spring 2025 講演レポート】
更新日:2025年6月24日

監修者
株式会社メディアリーチ 代表取締役 松村 俊樹
兵庫県神戸市生まれ。2012年立命館大学卒業後、株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア)で採用支援に従事。2015年、米国デジタルエージェンシーPierry(現Wunderman Thompson)に入社し、日本支社立ち上げ、MAやSEOコンサルティングに従事。その後、富士フイルムグループ会社でグローバルデータベース型SEOに従事、2021年に株式会社メディアリーチを設立し、代表取締役に就任。日本国内企業や北米、欧州、中国本社のグローバル企業のSEO支援も行う。SEO経歴10年以上。デジマナMEET講師登壇 / 東京都中小企業振興公社運営のTOKYO創業ステーションイベントに登壇
2025年4月にイギリス・ブライトンで開催されたBrightonSEO Spring 2025に、当社メディアリーチも参加しました。数ある注目セッションの中でも、特に印象的だったのが、Rise at Seven社のRay Saddiq氏による講演「How multi-channel content captures intent & EEAT signals to drive growth」です。
本セッションでは、従来のSEOの三本柱であるテクニカルSEO・コンテンツ制作・被リンク獲得だけでは、今日の検索環境において成果を出すには不十分であるという前提のもと、マルチチャネル戦略を取り入れることが、より効果的で実践的なSEOにつながるというテーマが掘り下げられました。
ユーザー行動の多様化に伴い、Googleもさまざまな情報源からコンテンツを検索結果に表示するようになっています。今では、ショート動画、掲示板、SNS、ブランド発信コンテンツなど、複数のチャネルにまたがる情報が、ユーザーの検索意図をとらえ、*EEAT(経験・専門性・権威性・信頼性)*を高めるうえで重要な役割を果たしています。
単なるWebページ単位の最適化だけでなく、TikTokやYouTube、PR施策、従来のオンサイトSEOを統合的に活用し、SERP(検索結果画面)のさまざまな機能や、ユーザーからのブランド認識に働きかけることで、より広範なデジタルプレゼンスの確立と成長の加速が可能になるという内容でした。
Written by Ayaka Uchida
SEO Consultant, MediaReach, Inc.
1. エグゼクティブサマリー
Rise at Seven社のマーケティング責任者による本セッションでは、「SEOは死んでいない、進化しているのだ」というメッセージのもと、従来のテクニカル・コンテンツ・リンクという3つの柱にとどまらず、マルチチャネルのコンテンツ戦略を展開する重要性が語られました。
Googleの検索アルゴリズムとユーザー行動は変化しており、今日ではプラットフォーム横断・フォーマット多様なコンテンツが、検索意図の把握やEEATシグナルの支援において中心的役割を担っています。
従来のように単一のページ最適化だけに注力するのではなく、TikTok・YouTube・PR・サイト内SEOなどの複数チャネルを活用し、SERP機能全体やユーザー認識に働きかけることが、今後のSEO成功には不可欠です。
2. セッション情報
タイトル:How multi-channel content captures intent & EEAT signals to drive growth(和訳:マルチチャネルコンテンツはどのように検索意図とEEATシグナルを捉え、成長を促進するのか)
講演者:Ray Saddiq(Rise at Seven/グローバルマーケティング責任者)
日時:2025年4月10日(木)午前9:30〜
会場:Brighton Centre, Auditorium 1
イベント:BrightonSEO Spring 2025
3. レポート詳細
3-1. 背景と文脈
従来のSEOは、テクニカル最適化・コンテンツ制作・リンク構築という3本柱が中心でした。しかし、コロナ禍以降、ユーザーの情報収集行動が大きく変化し、Googleの検索結果画面(SERP)もそれに呼応して変化しています。
講演者は、検索結果に従来型SEOの成果が反映されなくなっていることに気付き、数年かけて研究と実践を重ねた結果、「需要創出(DEMAND)」と「発見促進(DISCOVERY)」を軸にしたマルチチャネル戦略を体系化したと語りました。
3-2. 主なメッセージと示唆
SEOは「死んだ」のではなく、「進化」した
SERPには動画、ディスカッション、レビューなど多様なフォーマットが登場
複数のプラットフォームで一貫したプレゼンスを築くことで、EEATシグナルを強化
ブランド名での検索やプラットフォーム横断の視認性がランキングと相関
SEOはオンサイトだけでなく、SNS・PR・ブランドコンテンツによる外部評価と連携すべき
Googleの青リンク表示は35〜50種類のSERP機能に押し下げられている
実体験や専門家の声が、EEATにおいて重要な役割を果たす
3-3. ビジュアル資料
図1:セッション目標を示すスライド

図2:「Made Simple」フレームワーク – 「需要(DEMAND)」と「発見(DISCOVERY)」の2ステップ

図3:「SEOは死んでいない。死んだのは3本柱だ」というビジュアルメッセージ

図4:旧来型SEOとの比較表(Before-After)

図5:「Philips Lamp」検索トレンドから見たクロスプラットフォーム戦略の影響

図6:マルチチャネルがEEATシグナルをどう駆動するかの構造図

3-4. 実務への応用
短期的施策:
狙っているキーワードのSERP機能を監査し、動画や掲示板形式への対応を検討
SEO・コンテンツ・PR・SNSチームの連携体制を整備
検索結果でよく出現するフォーマットの傾向を分析
実務経験を持つ専門家の活用
長期的施策:
YouTube・TikTok・ブログ・ポッドキャストなどを組み合わせた戦略の構築
ブランド名検索ボリュームをEEAT指標として継続的に追跡
専門家の一次情報や経験談を活かし、本物の専門性を示す
コンテンツフォーマットを複数使い、SERP内の占有面積を拡大
オーディエンスが検索・探索するすべての場において、統一されたブランド体験を提供
3-5. 会場の様子
会場全体が高い関心を示し、特に実務事例やリアルなケーススタディには強い反応が見られました。「マルチチャネルがSEOの未来である」というメッセージは、多くの参加者に深く響いていた印象です。
3-6. 個人的な気づき
「SEOは死んだのではなく進化した」という主張には強く共感しました。最近感じていたブランドシグナルや横断的な視認性の重要性が、明確な構造として整理された印象です。断片的なSEO施策ではもはや通用せず、オーディエンスが情報を探すあらゆる場所にブランドが存在していなければならないことを再認識しました。実データや事例が豊富に紹介された本セッションは、最も実践的で魅力的な内容の一つでした。
4. 補足資料
Speaker Deck:
https://speakerdeck.com/raysaddiq/how-multichannel-content-drives-growth-and-captures-eeat-and-intent
Written by Ayaka Uchida
SEO Consultant, MediaReach, Inc.

参考記事
本記事の内容には万全を期しておりますが、情報の正確性や完全性を保証するものではありません。万が一、誤りや不適切な表現等を発見された場合は、以下の方法でご連絡いただけますと幸いです。
初版公開日時:2025年4月17日
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