信頼はコードでは生まれない ── E-E-A-Tにおける構造化データの本当の役割【 BrightonSEO Spring 2025 講演レポート】
更新日:2025年4月22日

監修者
株式会社メディアリーチ 代表取締役 松村 俊樹
兵庫県神戸市生まれ。2012年立命館大学卒業後、株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア)で採用支援に従事。2015年、米国デジタルエージェンシーPierry(現Wunderman Thompson)に入社し、日本支社立ち上げ、MAやSEOコンサルティングに従事。その後、富士フイルムグループ会社でグローバルデータベース型SEOに従事、2021年に株式会社メディアリーチを設立し、代表取締役に就任。日本国内企業や北米、欧州、中国本社のグローバル企業のSEO支援も行う。SEO経歴10年以上。デジマナMEETにLLMO関連で講師登壇 / 東京都中小企業振興公社運営のTOKYO創業ステーションイベントにLLMO関連で登壇
当社メディアリーチが2025年4月に参加したBrightonSEO 2025にて、Jarno van Driel氏が構造化データとE-E-A-Tに関するSEOの誤解についてbrightonSEO Spring 2025のセッション「Does structured data markup influence EEAT?(和訳:構造化データのマークアップはE-E-A-Tに影響を与えるのか?)」で解説しました。 「信頼はコードでは生まれない」──その理由と、構造化データが本当にコンテンツをどう支えているのかをご紹介します。
Written by Ayaka Uchida
SEO Consultant, MediaReach, Inc.
1.エグゼクティブサマリー
本セッションでは、セマンティックSEOのコンサルタントであるJarno van Driel氏が、GoogleのE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)と構造化データの関係について解説しました。彼の核心的なメッセージは明確でした──構造化データはE-E-A-Tの評価に直接的な影響を与えるものではない、ということです。
構造化データは、あくまで補助的なツールであり、ウェブページ上にすでに存在する情報を検索エンジンが検証・照合する手助けをするものです。それ自体が信頼性を「証明」するわけでもなく、専門性や権威性を人為的に高めることもできません。
Van Driel氏は、「信頼はコードで作られるものではなく、透明性と検証可能性のあるコンテンツを通じて、時間をかけて示されるべきものだ」と強調しました。また、構造化データによって現実の信頼性を代替できると誤解しているSEO業界内の広範な認識にも警鐘を鳴らしました。
E-E-A-Tの各要素は個別に分析され、構造化マークアップが有効に機能する場面と、それ以上に重要な「効果がない」領域が明確に示されました。セッション全体の示唆はシンプルかつ力強いものでした──構造化データは、現実の情報をわかりやすく伝えるために使うべきであり、検索順位を操作するために使うものではない、ということです。
2.セッション概要
セッションタイトル:Does structured data markup influence EEAT?(和訳:構造化データのマークアップはE-E-A-Tに影響を与えるのか?)
スピーカー:Jarno van Driel(構造化データ&セマンティックSEOコンサルタント)
日時:2025年4月10日(木) 09:30〜
会場:Brighton Centre(オーディトリアム1)
3. レポート詳細
3-1. 背景と文脈
近年、GoogleはE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)をますます重視するようになっており、その背景には、質の低いコンテンツやAI生成コンテンツ、誤解を招く情報への対策があります。この流れを受けて、多くのSEO担当者が検索エンジンに“信頼性のシグナル”を伝える方法を模索するようになり、構造化データはその有力な手段のひとつと見なされてきました。
2022年には、従来のE-A-Tに「Experience(経験)」が追加され、E-E-A-Tへと進化しました。これは、実体験に基づく一次情報の価値をGoogleが重視し始めていることを示しており、特にレビュー記事、医療系コンテンツ、アドバイス系のコンテンツにおいて、机上の知識以上の意味を持つようになっています。
こうした認識が広まる中、Jarno van Driel氏はセッションで明確な立場を示しました。構造化データは信頼性を担保する近道ではなく、Googleの信頼や経験、権威性の理解を“操作する”ためのツールでもないというのが彼の主張です。
このセッションは、構造化データにまつわるSEO業界の誤解、特に「構造化データを使えば現実の評価や評判を代替できる」という神話に対する警鐘として位置づけられていました。Van Driel氏は、構造化データは検索順位を上げる“小技”ではなく、情報の透明性と明瞭性を高めるためのツールとして再定義されるべきだと参加者に訴えかけました。
3-2. 主要なメッセージと示唆
構造化データはE-E-A-Tを裏付ける“補助”にはなるが、それ自体が証明にはならない
「経験(最初のE)」は文脈依存であり、偽装することはできない
「権威性」は外部からの評価によって認められるものである
「信頼」はコードではなく、積み重ねによって得られるもの
構造化データを正しく活用するには、技術的な正確さとコンテンツとの整合性が不可欠
3-3. ビジュアル資料とスライド
Van Driel氏は、主張を補強するためにいくつかのビジュアル資料を用いました。その中には以下のようなものが含まれています。
図1:エンティティ統合に関するKalicubeの引用

図2:ロケットの構造図の例

図3:マリオのメタファーを用いた「透明性」に関するスライド

図4:「経験のタイムライン」を示したスライド

図5:JSON-LD形式による構造化データの例

3-4. SEO実務への示唆
短期的なアクション:
ページ上で明示されている情報を、構造化データで補強することを意識する
著者ページや「会社情報(About)」ページに一貫性を持たせ、適切にマークアップする
長期的な戦略:
外部からの評価(第三者による検証)を通じて信頼性を構築する
あらゆるプラットフォームでエンティティの一貫性を保ち、明確なアイデンティティを提示する
マークアップの数よりも、コンテンツの質に注力すること
3-5. 会場の様子
このセッションは当日の朝一番に行われたため、参加者の集中度は高く、真剣に耳を傾けている様子が印象的でした。ライブでのQ&Aは行われず、会場の反応も全体的に控えめで静かなものでしたが、それは多くの欧州系カンファレンスに見られる典型的な雰囲気でもあります。それでも、構造化データをめぐる過剰な期待や誤解の中で、実務家たちが本質的な理解を求めていたことがうかがえるセッションでした。
3-6. 執筆者の所感
Van Driel氏のメッセージには、私自身も強く共感しました。結局のところ、Googleは単純ではなく、常に進化を続けており、システムを“欺こう”とする試みはむしろ逆効果になりかねません。だからこそ、彼の「構造化データは欺くための手段ではなく、真実を整理し、より明確に伝えるためのものだ」という視点は非常に参考になりました。
今回の講演を通じて、私自身のスキーマに対する捉え方も改まりました。検索エンジンを“攻略する”ツールとしてではなく、良質なコンテンツを構造的に支えるものとして、スキーマを活用していく姿勢が今後ますます重要になると感じました。
4. 参考資料・スライド
Speaker Deck: https://speakerdeck.com/jarnovandriel/does-structured-data-markup-influence-eeat
Written by Ayaka Uchida
SEO Consultant, MediaReach, Inc.

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